【Andante】作曲:葉野えり
枠の外には大きな世界があった。
それぞれの世界にはそれぞれの特徴がある。
あたたかい空気、冷たい空気、ぬるい空気、ふんわりした空気、ぴりっとした空気、湿度を多く含む空気、カラカラに乾燥した空気。
慣れない空気には未だ身を硬くしてしまう。
けれど、一歩踏み出したら見たことのない景色が広がっていた。
そして、あたたかな笑顔とぬくもりを得ることができた。
得ると同時に失う怖さも知ったけれど、「手から零れたものはまた掬えばいい」と教えてくれる人がいた。
心に住まう闇に何度となく呑み込まれたけれど、そのおかげで光を感じることができた。
光と闇は相対する。ふたつは共に存在するのだ。
光のもとへ出られるのなら何もいらない、と本気で思っていた過去の自分に教えてあげたい。
光に満ちた世界では、かけがえのない人たちに出逢えるということを。
そんな人たちに出逢えると、その人たちと一緒に歩きたくなる。
ほかには何もいらない、なんて言えなくなる。
もっともっと……と希望や願望が溢れてきて、未来が明るく楽しみなものへ変わる。
何かを得るために何かを諦めるなんてしなくていい。
ただ、ほんの少しの勇気は必要。
勇気を出してまず一歩。一歩前へ踏み出してごらん。
あなたは、変われる――
END
Update:2013/07/01 改稿:2017/07/25


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