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光のもとでU+

迷路の出口

Side 藤宮雅 20話

 リビングでの歓談は、実に和やかに続いていた。テーブルには各々がオーダーした飲み物が用意されており、カップが空になればすぐに代わりの飲み物が運ばれてくる。そして、テーブル中央には鈴子さんお手製の焼き菓子と、美しいフラワーアレンジメントが彩りを添えていた。
 取り立てて問題のある光景ではないけれど、気になることがひとつ――
 それは、私の正面に座る秋斗さんの動向だ。
 思い返してみれば、川原から陽だまり荘へ戻る最中からそわそわしていた気がしなくもない。
 話かければタイムラグなく返答があるし、会話に支障はないものの、秋斗さんはずっとスマホを気にしているのだ。それはまるで、誰かからの連絡を待っているかのごとく。
 いったい誰からの連絡を待っているのだろう……? 今は休暇中で、仕事に関する連絡は来ないはずだけれど……。
 あ……もしかしたらネットトレーディングか何か? でも、その手のものも禁止事項に入っていたはずだし……。
 秋斗さんの様子を観察していると、
「あれは気にしなくていいと思いますよー」
 隣に座っている唯くんに声をかけられ、秋斗さんの異変に気付いているのが自分だけではないことに気付く。
 でも、気付いていても訊ねることはせず、放置しているということだろうか……。いや、それは自分も同じなのだけど――
 否――違う。唯くんのこの物言いは、何を気にしているのか気付いていて放置している、という感じだ。
 返答もせず唯くんの目を見ていると、
「雅さんもかっ!」
「えっ?」
「目がさ、『どうして?』って訊いてんの。リィもよくそういう仕草するんだけどさ」
「あ――」
 咄嗟に口元を押さえると、唯くんはクスクスと笑った。
「まあさ、あんな状態の人間がいたら、何を気にしてるのかそりゃ気になっちゃいますよねー」
 私は素直に頷く。すると、
「これです、これ」
 唯くんに見せられたのは、川原へ行く前に見せられたスマホだ。しかしディスプレイには、そのときとは違うものが表示されていた。
「バイタル――って、翠葉さんのっ!?」
「そっ! 昼過ぎから発熱してんだよねー」
「えっ、大丈夫なのっ!?」
「んー……リィはさ、疲れても発熱するし、発汗機能も弱いから、陽に当たっただけでも体温調節できなくて熱が上がっちゃうんだ。だからなんとも言いがたいんだけど、アラートが鳴るほどではないし、司っちから夕食会中止の連絡が入るでもないところを見ると、大丈夫なんじゃないかなぁ……。それに、これ見て?」
 唯くんが見せてくれたのは、過去データ。つまりは今までの履歴だ。
「一度体温上がったあと、少し下がってるじゃん? そのあともなだらかではあるけれど、下降傾向にある」
「そう言われてみれば……」
「これはさ、たぶん司っちが何かしら策を講じた結果だと思うんだよね。だから、俺的見解は『大丈夫』で、目の前のあの人は心配しすぎ……」
「なるほど……」
 状況は納得できた。納得できたけれど、目の前の秋斗さんはどうしてこんな状態なのだろう……。
 翠葉さんのモニタリング歴は、唯くんよりも秋斗さんのほうが長いはずだし、司さんが側についているのなら、何かしら策を講じることくらいはわかりそうなものなのに……。
 そんな疑問を察知したかのように、唯くんが口を開いた。
「俺が想像できる程度のことを、秋斗さんが想像できないわけがないんだけど……。なんだろうねぇ……。本当、リィのこととなるとだめみたいで」
 つまり、そういうことなのだろう。
「本当に、翠葉さんのこととなるとだめなのね……」
 私はクスクスと笑いながら、今一度唯くんのスマホに視線を落とし、翠葉さんのデータに目を通していた。
 もともと翠葉さんのためだけに作られた機器で、こういうことに使うためのものという知識はあった。でも実際に、こういう使い方をしている顧客を見るのは初めてで、ちょっと面食らってしまったのだ。
 Fメディカルが起業して一年半――
 秋斗さんが手がけた製品は、会社が難なく経営できる程度には売れている。
 顧客は主に二パターン。医療施設や福祉施設、スポーツジムなどを経営している法人顧客と、完全なる個人顧客。
 秋斗さんが翠葉さんのために開発したアイテムは、形状こそ違えど、巷では「スマートウォッチ」という名で存在はしていた。ただ、発売当初は機能が限定されていたし、バッテリーのもちに問題があったことから、そこまで広く普及はしていなかったのだ。けれど、ここ数年で機能はバリエーションに富み、バッテリー問題も解消され、様々なアプリが開発されたことにより、健康への関心が高い人たちの間であっという間に広まった。
 つまり、その流行にうまく乗ることができたおかげで、うちの社は短期間で軌道に乗れたと言っても過言ではない。
 そして、他社と完全なる差別化をはかることで、地味に売り上げを伸ばしているモデルがある。
「スマートウォッチ」とは、言葉が示すように腕時計形――リストバンドの形をしたものが多い。しかも、製品の多くはスポーツシーンやアウトドアなどの過酷な環境にも耐えられるようなデザインや性能が重視され、スポーティーなデザインが多い。今のところ、パーティーなどに着けて行けるようなデザインのものは出回っていないのだ。
 その点、うちの社の初期モデルは、翠葉さんのためだけに作られたバングル形。
 見た目に特化した分、測定器で数値を確認することはできないけれど、間近で見ても高級アクセサリーと遜色ないつくりになっている。
 金属アレルギーの人でも使える医療仕様であるところも、売りのひとつだ。
 当社製品のスマートウォッチと連携することもできるため、その日によって、またはシーンによって付け替えても、なんの問題もなくデータを取り続けられるというメリットもある。
 また、医療施設や福祉施設などでは怪我のもとになりやすい突起物や、余計な機能がついてないないものを求められたりもする。
 この手のツールは使う施設、使う人、使用目的や使うシーンによって求められる機能であったりデザインが変化する。そういったひとつひとつをカスタマイズできるのが、我が社の強みなのだ。
 とはいえ、やはり翠葉さんのような使われ方はあまりしない。
 顧客データを見てみても、低血圧の患者よりも高血圧患者の需要が高いし、体温を機能に追加している人も少ない。
 体温を機能に追加している人のほとんどが女性で、基礎体温を測り忘れてしまう妊活中の人であったり、妊婦であることが多い。あとは病院や福祉施設で、急な発熱にすぐ対応できるように導入されていたり……。そのほかだと、熱中症になりやすい環境で作業する社員の健康管理のために使用されていたり、極寒地に住む人の利用など。
 日常的に体温を気にする人は、気にしなくてはいけない環境に身を置いている人であることが多いのだ。
 つまり、翠葉さんのために開発された機器は、そのままの用途で使われることはほとんどない。
「雅さーん? ぼーっとして、どうしました?」
 唯くんに声をかけられて、ディスプレイに視線を落としてから少し時間が経っていることに気付いた。
 私が取り繕うように笑うと、
「コレ見て、なんか気になったことがあるんでしょ?」
 唯くんはスマホのディスプレイを指差していた。
「えぇ、ちょっと……。この機器が、翠葉さんのために作られたものであることは知っていたし、翠葉さんがどんなふうに使っているのかも知ってはいたのだけど、うちの社ではそういう売り方をしていないでしょう?」
「あぁ……。まぁね、リィみたいな体質の人はそうたくさんいるわけじゃないし、会社を経営してくためにはそれなりの数売らなきゃいけないから、現場や顧客のニーズは徹底してリサーチしたよね。本当、紫先生や司っちおとんの人脈、相馬先生が紹介してくれた海外ドクター、健康志向の人たちの意見は超参考になったよ。おかげで、機能数はメーカー随一って言われるくらいにはなったし、目的別カスタマイズもリリース前にあれこれ用意できた。誰かさんがしれっとデザインと機能における特許を取っていたおかげで模倣品は排除できるし、追随するメーカーが出てきても特許ライセンス契約を結ぶことで、ライセンス料が入る――本当にさ、人の二倍も三倍も働いてるくせに、そういうとこ抜け目ないんだよねぇ、あの人……。普段は超ポンコツなのにさ」
 唯くんは、テーブル向こうでスマホを気にしてばかりの秋斗さんを見ながらくつくつと笑っていた。
「でも、リィの使い方と商売戦術が違うからって、別段問題はないでしょ?」
「そうなのだけど……。ただ、普段自分が売り込んでいる内容とはずいぶんと違う使い方だから、なんかちょっと――」
「ふむ……。原点回帰?」
 Originregression――
「そんな感じかも……?」
 首を傾げた途端、
「そこのふたり」
 蔵元さんに声をかけられ、私と唯くんは反射的に姿勢を正す。
 そろりそろりと声の主の方を向くと、呆れ顔の蔵元さんがこっちを見ていた。
 きっと、今の会話を聞かれていたのだろう。
「私しか気付いてないので、セーフで結構ですよ。ただ、それ以上はアウトと見なしますので、そろそろその話題からは離脱なさってください」
 私と唯くんはコクコクと頷き口を噤んだ。
「それとあの人――秋斗様が挙動不信すぎて見てられませんので、そろそろ星見荘へ向かいましょうか」
「え? まだ早くない?」
 唯くんが訊ねると、
「さっき稲荷さんにうかがったんですが、ルートがふたつあるそうです。傾斜が急な階段なら三十分。緩やかな坂道なら五十分。……唯ならどっちを選ぶ?」
 蔵元さんの問いに唯くんは、「迷わず後者を」と答えた。
「俺もだ……。午前にあれだけ走らされたんだ。傾斜のきつい階段など上りたくもない……」
「同感っす……」
 ふたりのやり取りに、サバイバルゲームが相当ハードだったことを悟り、今夜こそ蔵元さんに独立したバスルームをお使いいただきたい、と心の底から思う。
 蔵元さんはその場にいる人みんなに聞こえる声で、
「そろそろ星見荘へ向かうとしましょう。支度が必要な方はすぐにご用意を」
 みんなはすぐに支度を始めた。ただひとり――
「俺、警護班の車で先に行ってるわ」
 秋斗さんが玄関へ向かおうとすると、その手をがっしりと蔵元さんが掴んで引き止める。
「何言ってんですか。却下に決まっているでしょう……」
「なんで〜……いいじゃん、俺くらい……。ってか蔵元たちも歩きたくないなら、警護班に送らせればいーじゃん!」
「秋斗様、そういう問題ではございません……。ご存知かとは思いますが、自宅に招かれる場合、約束の時間前に訪問するのはマナー違反です」
「蔵元のいけずぅ……。司は従弟なんだから、そこまで気にする必要ないだろっ!?」
「では、翠葉お嬢様はどこに属すると? まだ司様の婚約者であって、正式な親戚ではないかと存じますが? え? 異論がございますでしょうか?」
「わかったよっ! みんなと一緒に行けばいーんだろっ!?」
 秋斗さんはソファに上がりこみ、膝を抱えてスマホと睨めっこを始めた。

 陽だまり荘を出たのは五時過ぎ。
 蔵元さんの話では、星見荘は陽だまり荘よりも標高の高い場所に建っているとのことだった。
 実際に歩いてみると、確かに距離はある。でも、坂道自体は緩やかで、私や桃華さんにとって苦になるものではない。それでも、午前中にサバイバルゲームを楽しんだ男性陣にとっては、少しつらい道のりだった模様。
 普通に歩けば五十分ほどで着く道のりも、一時間ちょっとかかる始末だった。
 そんな中、蒼樹さんだけは涼しい顔をして、別段苦しそうな表情も見せない。どうしてか訊ねてみると、普段から運動をしているらしく、あのくらいの運動量では特段筋肉痛にはならないのだとか。
 蒼樹さんはカラカラと笑って、三人の運動不足を指摘していた。
 坂を上がりきったところに白い建物が見え、時計を見れば六時五分。
「お呼ばれにはちょうどいいタイミングね」
 私の言葉に、桃華さんだけが「そうですね」と息を弾ませて答えた。
 インターホンを鳴らすと、しばらくして司さんが内側からドアを開けてくれた。けれど、玄関に翠葉さんの姿はない。
 翠葉さんなら、一緒になって出迎えてくれそうなイメージなのだけど……。
 訊ねようと思った次の瞬間には、
「翠葉ちゃん、大丈夫っ? 具合悪くなってたりしないっ!?」
 秋斗さんが身を乗り出して訊ねていた。
 司さんは驚く素振りも見せず、
「発熱のこと?」
 いつものように淡々と訊ね返してくる。
「そうっ」
「日中、少し体温上がったけど、すぐに冷水シャワー浴びさせた。今は――」
 司さんは服の上からポケットを押さえると、「あ――」と言った感じで目を瞬かせる。
 おそらく翠葉さんの体温を確認しようとして、スマホを所持してないことに気付いたのだろう。
 それを察知した秋斗さんが、
「今は三十六度八分」
 スマホを見ることなく答えた。
 まあ、ここまで歩いてくる間だって散々スマホと睨めっこしていたのだ。確認してから言う必要などなかったのだろう。
 そんな秋斗さんを呆れた眼差しで見る司さんは、
「四時半くらいから今の今までずっと寝てるけど、たぶん大丈夫」
 インターホンを鳴らしてから出るまでに少し時間があったのは、もしかしたら司さんも一緒に休まれていたから……?
 玄関から見える部屋の奥――リビングが暗いところを見ると、そんな気がした。
「お休みのところお邪魔して大丈夫でしょうか……」
 蔵元さんらしい気遣いを見せると、
「問題ないと思います。六時前には起こすつもりだったんですけど、自分も一緒になって寝ちゃってただけなんで」
 その言葉に皆が顔を見合わせたけれど、司さんは気に留める様子も見せずに私たちをリビングへ通した。
 外観を見たときにも感じたことだけれど、まるで一軒家のような建物だ。下に建つ陽だまり荘と比べたら、「藤宮の別荘」感がまるでない。
 ここは真白様の要望で建てられたと先ほどうかがったけれど――
 シンプルな外観に素朴な内装。どれをとっても「華美」とは程遠く、こういった環境を望まれた真白様の人柄を、間接的にうかがい知ることができる気がした。
 確か、藤山に建つご自宅も、一般家庭の一軒家とさほど変わらないつくりだと聞いている。実際に見たことはないけれど、星見荘を見れば、どんなご自宅にお住いなのかが想像できる気がした。
 ほんの数メートル廊下を歩けばすぐにリビングだ。
 司さんはリビングとダイニングの照明を点けると、
「適当にくつろいでてください。翠を起こしてくるんで」
 隣の部屋へ向かった司さんを追いかけ、
「司さん、私たちも一緒に行っていいかしら?」
 たぶん桃華さんも一緒に来る――そう思ったからこそ「私たち」と言ったのだけど、意思の疎通はできていただろうか。
 桃華さんを見ると、コクリと頷いた。その背後で、秋斗さんも便乗しそうな勢いで並んでいる。
「……秋斗さんは却下ですよ?」
「えっ!? なんでっ!?」
「当たり前じゃないですかっ! レディの寝室には同性か家族、親しい間柄の殿方しかお通ししないものですっ!」
「でも、入院してたときはよく――」
「秋斗先生、今は状況が違いますでしょう?」
 桃華さんがにこりと笑って牽制すると、
「え、あ、はい……。スミマセン……」
「秋斗さん、だっせー! 年下の女子に蹴散らされてやんの!」
「唯、それはちょっとひどい……」
 蒼樹さんは唯くんを嗜めつつも肩を震わせている。それに気付いた秋斗さんが、
「蒼樹……。言葉上では庇ってくれてるのに、笑い堪えてるとかひどくない?」
「何をおっしゃっているんですか。もともとここには紳士しかいないはずですが?」
 蔵元さんが「いい加減に黙りなさい」と言わんがごとく笑顔ですごむ。と、秋斗さんはようやくおとなしくなった。
 司さんはそのやり取りを傍観していて、秋斗さんが「私たち」に含まれないとわかった時点で、同行を許可してくれた。

 リビングとベッドルームを仕切っているらしきスライドドアを開くと、大きなベッドがひとつ置かれており、そこに翠葉さんが横になっていた。
 額には冷却シートが貼られていて、やはりしかるべき対処はしていたのだ、と思う。
「本当によく眠ってる……」
「今日は一日ゆっくり過ごしたんでしょう?」
 桃華さんが訊ねると、
「日中、二時間くらい陽に当たってたから疲れたんだろ」
 言いながら、司さんはベッドに腰を下ろし、翠葉さんに手を伸ばす。
 羽毛布団のかかった肩を優しく叩き、
「翠、みんな来たけど?」
「ん……」
 少し鼻にかかる声が漏れ聞こえたものの、翠葉さんが起きる様子はない。
 確かに、夏の強い日差しに当たると疲労を感じることがあるけれど、私の場合、半日程度屋外にいたときにそう感じることがあるくらいで、こんな涼しい山中で、日中二時間程度――
 それでこんなにもぐっすりと眠り込んでしまうほど、疲労を感じる身体なのだろうか……。
 普段の生活に支障が出るほどの身体とは、どの程度困るものなのか――
 翠葉さんの身体だと、どのくらいの負荷が「負担」に該当してしまうのか――
 そいうの、訊いたら教えてもらえるかしら……。それとも、そういう話題自体がタブーになるのかしら……。
 桃華さんは知ってる……? ――でも、桃華さんから聞くべきことではないし、桃華さんは知っていたとしても答えてはくれないわね。
「翠、みんな来た。夕飯の準備、するんだろ?」
「ん……」
 翠葉さんは一向に起きる気配がない。
 このまま寝かせてあげたほうがいいのでは――
 そう思ったとき、司さんは翠葉さんに近づき、耳元で何かを囁いた。すると、パチ、と翠葉さんの目が開く。
「これ、起きない翠には有効だな」
 くつくつと笑う司さんに対し、
「もうっ、ツカサの意地悪っっっ!」
 翠葉さんはめったに出さない大声を出して、文句を言った。
 司さんは笑いながらベッドルームをあとにして、残された私たちは顔を見合わせベッドへ近づく。
「司さんにいったい何を言われたの?」
 不思議に思って訊ねてみたけれど、「ヒミツデス……」と隠されてしまった。
「日中、少し熱が上がっていたみたいだけど大丈夫? 秋斗さんがとっても心配してたわ」
 翠葉さんは「あっ」といった感じで、
「お昼過ぎからボートで過ごしてたんです。ちゃんと帽子は被っていたんですけど、陽に当たることで体温上昇しちゃったみたいで……」
「そうだったのね。今は?」
「ボートから降りてすぐ冷水シャワーを浴びたし、このとおり、冷却シートを貼って休んでいたのでもう大丈夫です」
 翠葉さんは私たちを安心させるように笑顔を作る。
「藤宮司にバイタルが転送されるようになったのがいささか不満ではあるけれど、それによって翠葉の体調がいい状態をキープできるのなら、それはそれでいいのかもしれないわね」
 司さんに都度突っかかる桃華さんも相変らずだけど、
「本当に。これ以上ない監視役よ?」
 そう言って笑う翠葉さんがとてもかわいくて、私も桃華さんも気付けばつられて笑顔になっていた。


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Update:2021/01/14

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